墨塗りと雲台のグリスアップ |
これはゆゆしき事態だ。何が悪いんだろう???どこかで乱反射しているのはわかるのだが・・・。
ということで、一番最初にアダプターを疑い、中も外も同じ塗装のアダプターの内部に墨塗りをしてみた。
これは、望遠と広角ではブライトフレーム状の光線引きの位置が変わることから発見した。ちなみに、同時期に使っていたグラフレックスのグラフマチックホルダー(フジはこれの権利を買ったか何かしてカウンターなどを多少改良して同じものを作っていた)ではこの光線引きが出ないので、グラフマチックとフジのクイックチェンジャーでは塗料か何かが違うのかもしれない。
墨塗りをして乾かしている間に、少し前から気になっていたホースマンの雲台・ディスクロックのグリスアップを行った。
左右に回転させる部分が角度によってトルクが抜けるような感じがするのだった。
ハンドルがついている部分もやってみようかと思ったのだが、どうやら中心を止めている六角のネジが接着剤でくっつけてあるようで、一つは外したのだが(なんとネジは逆ネジだった)、やっぱり接着剤が白く残っているので、無理をしないでやめておいた。
これを壊しても修理してくれるところはないのと、特にグリスアップの必要性がないのが分かっているからだ。
ばらしてみて、ベース部の構造などはエルグと似た部分があって、やっぱりエルグの元祖なんだなぁ・・・と思った。
二台のディスクロックのベースをばらして、幾つか違うところがあるのを発見。
どちらも中古品なのでどちらが新しい方かはわからない。
それと、右の方は中心をロックするハンドル付きの黒い金具(アルミ製)に座金も付属している。
因みに、この中心をロックさせるハンドル棒の中央部には丸い溝が切られて、そこに外(アルミ製の黒い金具の中に細工してある・・・はず)から鋼球を入れ、それをバネで押し付けるような構造になっているので真ん中にハンドル棒を持って行くとカチッとはまり、ある程度の力でハンドル棒を押すとバネで押し付けた鋼球が溝から外れるようになっている。
因みに、左の方は金属部分の平らな所に丸いコルクが張り付けてあるのだが、右の方はコルクの厚さ分だけ金属部分に凹み加工がされている。
ネジはどちらも同じサイズ。
左の方は指係りのような丸い切欠きがされているが、右の方は単純な形で長さも少し短い。
ただ・・・
これは三脚止めネジが不用意に外に外れないような安全装置だろう。
この三脚止めネジ(ステンレス製)と雲台のはまりあうところも結構手の込んだ加工がしてある。
普通の雲台でここまで手の込んだものはないな。もちろん、エルグもここまでのことはやっていない。
ベース部のグリスをアセトンでふき取って、新しいのを適度に塗ってくみ上げて完了。
どちらも程よいトルク感があって、いい感じになった。
いろいろ見て、どうも右側の方が「改良型」だとおもうのだが、このホースマン・ディスクロックがどのくらいの期間売られていたかは知らないが、それほど長い期間ではないと思うのに試行錯誤しながら制作が行われていたんだなぁ・・・と、感心した。
細かい写真は撮らなかったのだが、二か所をロックするハンドル棒もパーン部と同じで、こちらは丸い溝が二か所切られ、長さの調整ができるようになっている。
エルグの方がハンドル棒が太くて、おまけにローレットも切られているのでまわしやすいが、スペースのことを考えるとホースマンの方が良いかもしれない。
ただ、エルグはハンドル棒の端が8角形になっているので、自分の好みの角度に変更できるのはかなり便利だ。
ホースマン・ディスクロックとエルグN75L、SSS3wayを使ってみて、左右にパーンさせるベース部のロックはやっぱりセンターを上から締め付けるホースマンが一番で、センターの金具を少し横にシフトしたところから上から締め付けるSSS3wayが二番、外周アールと締め付け金具のアールが「正確にあっていない」状態で横から「少しの部分だけ」締めるN75Lは三番・・・というか、あの締め付け方式は4x5を使う時に限って言えば安手の三脚にセットでついている雲台と変わらない程度のもの・・・と思っている。
35mmやハッセルではこの部分は気にならない。4x5の場合はフィルムホルダーの出し入れをするので、このベース部がしっかりロックされていないとカメラが横に首を振ってしまうのだ。
私はクイックチェンジャーを使っているので、なおさら負荷がかかり、それだからこのベース部のロックがとても重要なものになる。
その他の部分のロックは素晴らしいんだが・・・それだけがN75Lのダメなところだ。
私は少し前に二段締め付けようの金具を作ってみたが、正確な寸法測定ができなかったので「ほぼ正確・・・」というくらいで作ってみたが、これでかなり改善された。四角い平らな部分(穴の開いているところ)とアール部分の段差は現物合わせでフライスの目盛上で0.01ミリ単位で削って「ここまで締まればいいか・・・」というところでやめておいた。
削りすぎればロックが効かなくなるし・・・また新しいのを作るのも嫌だったので(笑)。
せっかくなのでリンホフのクイックフィックスのレバーと同じ赤いアルマイトを施しておいた。
上があんなにでかいんだから、ベース部ももう少し大きくした方がいいんじゃないか?と、前から思っている。
耐荷重がいくらすごくても、ベース部の小ささは左右回転方向のロックにはやっぱり不利だよ。
ホースマンのディスクロックは大きさ・重さを気にしなければ、たぶんナンバーワンの雲台なんじゃないかな?
あくまでも大きさ・重さを気にしなければ・・・の話だが。
あ、でもリンホフやジナーのパンティルトヘッドとか、リンホフの3Dヘッドとか使ったことないものもいろいろあるからなぁ・・・。
墨塗りの効果はどうだろうか?
明日の午前中にでも試してみなければ・・・。