とうとうディアドルフ8x10を手に入れた!!!というか、やっちまった・・・という感じか(-_-;) |
目的は毎日毎日悶々としていたディアドルフの「決着!」をつけるためだ。
実は今月の中ごろに「予約扱い」にはしておいてもらった。
でも店側は「できれば売りたくない」というスタンスで「だったら値段つけるな(笑)」と言いたくもなる。
この「できれば売りたくない」という意志の表れとして、「私が買うので予約扱いにしておいてください」という電話をした時に
「え、買うんですか!あれを!!」というリアクションが電話の向こうから帰ってきた。
多少のボッタクリ値段か・・・とも思ったのだが、現物を二月の松屋で見ているので何とも言えない。
綺麗なものがどんどん少なくなってきていて、そうすると値段は上がっても仕方ない。
おまけに専用ケース付きだ。これだけでも結構なお値段だろう。
おまけに、このカメラはこのお店で客に売られ(どうもプロの方の所有だったようだ)、それがまた売った店に戻ってきたという事で、ある程度の信用が持てる。
雨が降りそうで降らない高速道路をフツーの速度で走りながらも随分迷った。
「できれば売りたくない」という事は、多分キャンセルも簡単だろう。
高速を下りて、一般道を走っている最中、幾度もの信号待ちのなかでも随分迷った。
久しぶりに銀座の一丁目の地下駐車場へ車を入れ、かつてそのお店があった辺りをわざわざ通過して、開店時間に余裕があるので適当なところで昼飯を食べた。
開店は12時。メシを食い終わったのは12時少し前だ。店を出たら雨が降り始めていた。
傘を持っていなかったので雨の中早足で目的地へ。
エレベーターを下りて店を覗き込むとあまりよく知らない(でも電話では何度も話している)店員さんが「あ、どうも」って、覚えているんだ・・・と感心した。
二月の松屋で顔を合わせているんだっけ???
で、そのディアドルフを棚からカウンターに移してくれた。
見るとその棚には三段にわたって三台のディアドルフが置いてあった。
ああ、電話で聞いた二番目のヤツはこれか・・・と覗き込む。
S(この店の責任者)はいま奥でタバコ吸ってますのですぐ出てきますから・・・と、言うので、ああ、どーぞどーぞとカウンターのディアドルフを遠目に俯瞰(笑)。
で、何やら怪しいオーラが・・・と、右手の残りのディアドルフの棚の横のショーウインドーの中を見ると・・・
更に高そうなディアドルフが鎮座していた。
これにはびっくりした。
あまりにも綺麗、というか、未使用に近いんじゃないか???
と思って店の人に聞くと、「どうも使ってないような感じですね、これ」という。
そして、「元箱もついてますよ、これ」と付け加えた。
それはいくらか?と聞くと、私が予約したのよりも・・・安い。
何故・・・???
で、その更に綺麗なのもカウンターへ出してもらって、またまた俯瞰して、回り込んで、じっと見た。
左が私が予約したやつで右が未使用と思われる方。
わかる方にはわかるだろうけど、右の赤っぽいのは「テネシー」のブツだ。
テネシーの塗装は若干赤が強かった。
それでも問題ないとのこと。
でもやっぱりそちらも店ではあまり売りたくないようだった。
その言い方がこうだ
「シカゴの方はできれば売りたくない、テネシーの方はできれば取っておきたい・・・」
まぁ、どちらにしても、この店(もうバレバレだろうけど、かつて銀座一丁目にあったお店)がそこまで言うんだからそれなりのモノなんでしょう、両方とも。
で、これだけのものを二台並べて見せられて迷うなと言われればそれは無理と言うもの。
で、昔の一丁目のお店でM5を買った時のことをSさんに話したりした。
あの時も数台のM5(どれもかなりのレベルにあった)をテーブルに置かれて悩みに悩んで一番いいのを買ったっけ。
そんな話をしながら店の中を一周した。
スーパーテヒニカⅤの物凄く綺麗なのがあって覗き込むと「それは値段ついてませんから」ってことだった。
グレーの革張り、蛇腹も革製でとても綺麗だったな。あれは多分リンホフの絶頂期のモノだろう。
その他、F3Hとか大判レンズとか暗室用品、ジナー、中判、、、じっくり見たら夕方までかかったかもしれない。
そこにSさんが16x20だったかのフィルム見る?もう期限切れて随分経つけど・・・と、コダックの箱からフィルムを一枚出して見せてくれた。
こんなのをホルダーに入れて平面性なんてどうしていたんだろう???と思ってしまった。
それからまたカウンターの方に戻ってカメラを品定めした。
フロント、リアを弄っていて、それを見ていて「じゃあ、予定通りにシカゴの方で」と決定した。
詳しいことは書かない。
これは考え方の問題で、機能的にシカゴとテネシーで違いがあるわけでもないし、経年劣化とかから言えばテネシーの方が新しいのだからそちらの方がいいに決まっているんだろう。
でも私はやっぱりシカゴにした。シカゴとテネシーで何が違うって、それはあれですよ、アレ。その違いが良くわかりました。
目出度くご成約の運びとなり、お金を払う時に・・・サービスしてもらいました。
これは退職した方からのご厚意だってのはすぐにわかったけど、Sさんからも説明があった。
サービスと言っても、金額が金額なので、サービスも普通に考えればかなりの金額。
それからまた昔話が始まった。
こっちの方も盛り上がって、まぁ、もう30年くらいの付き合いですからね、この店とは。
そんなこんなでショーウインドウの中を見ていたら、Sさんが退職者の方に電話してくれてしばらくお話をさせてもらった。
二月の松屋に三回見に行ったからね、このディアドルフ。
それを見ていて不憫に思ってくれたんでしょう(T_T)。
量販店とは値段が違ったけど、随分世話になったし量販店とは違うサービスを受けてきたのも事実で。。。
金も使ったけど随分お世話になりました・・・と言う感じだ。
しばらくいろいろな話をして、雨の中家に帰ってきて、昨日はケースのふたを開けてみただけで眠りについた。
今日は写真展を見に行って、帰ってきてからカメラを取り出して・・・
まずはリンホフのクイックカップリングプレートを装着。
三脚ネジをつける丸いプレート、あまり気が付かなかったけどスレはそれなりに多数あるのに気が付いた。
特定の角度から見るととても目立つ。
これだけデカいカメラのネジ穴を一発でネジに当てるのは結構難しい。
だから私はタチハラにリンホフのクイックカップリングを使っている。
それと、カメラの下部にあたる一面の一か所にすり減ったところがあった。
これも組み立てられていたので気が付かなかった部分。
たまにこのベース面の四隅に四角いのが付いているディアドルフを見かけるが、あれはこの面の傷を防ぐための「台座」なんだろう。
これはやっぱりチューブをつけて使いたいな。
内部はディアドルフ専用のクッション材がくっついていて、前のオーナーさんが自分で作らせたんだろう。
このカメラをどのくらい使うかわからないが、値段を考えると軽々しく持ち出すのは控えたくはなる。
でも使わなければ意味がないので・・・もったいないけど。
もう銀塩カメラはいいだろう・・・な・・・たぶん。
いやいや、素晴らしいです。写真機道楽の頂点に達した感じがします。今が買い時なのかもしれません。
大震災再びでカメラどこで無くなるとか他国隆盛と日本凋落でこうしたカメラを輸入すら出来なくなる、とか暗い将来は絵空事ではなかったり・_・;;
綺麗なヤツは出た時に買わないと今後はなかなか入手できなくなるかもしれませんね。これは銀塩カメラ全てにおいてでしょうけど。
ディアドルフ・・・。
これを弄ってみると、素晴らしいのはわかるのですが、タチハラの良さもわかってきます。
タチハラは定価が安すぎたのかもしれません。
そういえば、田中長徳さんの本に「東南アジアなどから来た写真学生のために安く売っちゃう・・・」とかなんとかいう文面がありましたが、そういう方だったのかもしれません。
このカメラを買ったお店でも、とにかく素晴らしい職人さんだった・・・みたいなことを言ってました。
あらまあ、とうとうやっちまいましたね。(爆)
趣味はとかくお金が掛かるものですが、こういう機材は欲しいと思ったときが買い時なんでしょうね。
ディアドルフといえば、一度でも大判カメラを手にしたことがあれば垂涎のブツですので、何はともあれおめでとうございます。
言うなれば工芸品でもありますので、これで何を撮るかとかは後にして、まずは眺めたり組み立てたりして当分楽しめそうですね。(笑)
三脚座のプレートは外して研磨すれば綺麗になりそうです。
お店には30万円台が一台、50万円台が2台、そしてこれがその上です。
これにしたのは、以前松屋の中古市のブログにtamura さんが「買うならできるだけ綺麗なものを・・・」と書かれていたので、結局これになりました。
あの店で「シカゴでこれだけのものはなかなか・・・」と言うんですから、それなりの価値があるんでしょう。
ゼロハリも決め手の要因です。
テネシーのブツは新品同様で、これも迷いましたけどねぇ・・・。
この産地の違いは、ニコンF3とキヤノンF-1の違いのようなものでしょうか。
でもあのテネシーも欲しいです!!!
プレートは確かに軽く磨けば綺麗になりそうですが、アルミのようなので後で腐食が出ないか心配です。
店では「変にいじるな」と言われました(爆)